2016年12月5日月曜日

CGTV ダイハツ MAXの文字起こし


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 当時としては斬新なスタイルと、パーソナルユースとも呼ばれる、車内空間と如何にも走りますと言わんばかりのフォルムで、今でもファンの心をくすぐる一台である。
フルモデルチェンジを行わず一代限りで絶版となってはいるが、その車のコンセプトは後継車種とも言われる、ダイハツのソニカにも現れている。

今回の中古車グラフィックTVは、ダイハツから2001年に登場した「MAX」のノンターボモデル、「MAX L」をご紹介していきたいと思う。


 横幅 1,475mmという軽自動車枠いっぱいのスペースと、車の頭上の高さや全長を駆使し、余裕の室内空間と、タワーパーキングに対応しつつも、他のメーカーから発売されているワゴン系の軽自動車に比べて、如何にも走りに特化させたようなスタイルを併せ持つ。
セダンタイプよりも荷物を詰めて、ワゴンタイプよりも走りのいい、双方のいいとこどりの車ではあるが、それゆえに、悪く言えば中途半端であるという指摘もあるのが、この車の特徴である。
このMAXが絶版車となった一つの要因として、この室内パッケージにあるのだという声もある。確かに、ワゴンブームであった当時として、大きな荷物が積みにくいということは、大きなマイナスポイントであったことは言うまでもない。

 そしてもう一つ。当時としては斬新な前面のレイアウトにある。今日の新車に多く見られる特徴的な顔つきが、当時のMAXにデザインされていた。しかし、このデザインは当時としてはあまり受け入れられることが少なく、やや時代を先取りしすぎた感もある。
逆に言えば、今の時代にこそMAXの顔つきが受け入れられるのではないだろうか。
事実、現行のミラと形を照らし合わせてみるとよくわかるが、MAXの前面や車体の姿かたちに近づいているのを知らされることになるだろう。時代は繰り返されるとは、まさにこのことであろうか。
ホットハッチを思わせるような前面、後ろに流れるような弾丸のようなフォルム、そしてどことなく懐かしさを匂わせるリアブレーキランプの形。
そんな今昔を見る人それぞれに映し出している多面性を持っている車なのだ。


 斬新さと懐かしさを併せ持つ、そんなMAXの内装を見てみることにしよう。
インテリアは当時の軽自動車としては標準的なまとまりを見せる。ドライビングポジションから、大きく手を伸ばすこともなく、大抵はよそ見をせずとも操作できてしまう、いわば人間工学を取り入れた配置となっている。
例えば、ハザードランプ。当時の車としては、ハンドルの奥に配置されていることも珍しくない中で、このMAXの場合は真っ赤なボタンを、エアコン吹き出し口の上部に配置することで、視線の移動を極力抑えつつ、機敏に操作できるように配慮されている。
エアコンの調節ツマミも、ドライバーは前を見ながら、左手のみでダイヤル操作することで、今どの位置で何のモードになっているかを一瞬で把握できるような仕組みも施されている。
モニター画面のように、進行方向から目線をそらして操作するより、遥かに安全に運転することができるのも、MAXの長所とも呼ぶべきではないだろうか。


 搭載される660ccエンジンは、当時発売されていた「ミラジーノ」と同じ型式。64馬力のインタークーラーターボ付4気筒と同じくターボ付き3気筒DOHCの2種、そして58馬力のNAエンジンの3種類がラインナップ。駆動方式はFFと4WDが、それぞれラインナップされている。
NAエンジンに至っては、超低排出ガス車となっており、カタログ値の燃費は、リッター18.8キロ。きめ細やかさをうかがわせるが、58馬力で7,600回転を誇る、DOHC12バルブのEF-VEエンジンは、低回転から高回転までスムーズに回る、楽しいエンジンなのだ。
力強いターボモデルとはうってかわって、やや非力に思える高速走行でも、90年代の主力であったキャブレター車のそれと比べれば一目瞭然の走りを見せることも、インジェクション車の魅力でもあるのだ。

そんな活きのいいエンジンを搭載しているダイハツの同年代「ムーヴ」「ミラ」軽自動車には、MAXに留まらずフロントにディスクブレーキを採用している。フロントのディスクブレーキは、現在の新車においても引き続き継承されているので、ある意味イノベーションを巻き起こした車であるといっても差し支えないのではないだろうか。


 しなやかにたわむMAXの足回りも、路面の凹凸には比較的敏感で、ドライバーに路面の状況を逐次教えてくれると言えば言い過ぎだろうか。緩やかな旋回は、どことなく踏ん張ってくれている感覚になるが、そこは軽自動車。路面に合わせて時にはピーキーな走りをしてくれるのである。MAXの総重量は1トン近くあるため、これでもまだ船に乗っているかのような緩やかさであるが、当時のミラのような車重であれば、これの比ではないであろう。


 さて、ここまで見ていただいていかがだっただろうか。
現在も、中古市場において、走行距離10万キロの場合、総額でも10万円から50万円の価格帯で販売されている。
程度のいいものであれば、たとえ走行距離が多くてもエンジンのコンディションがかなりいいものも出回っているのである。

 ぜひとも、安価で楽しい車、MAXを購入してみてはいかがだろうか。

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